2002 年 45 巻 9 号 p. 653-658
最近開発された高感度IRMA法を用いたC-ペプチド測定キット「AbビーズCペプチド栄研」(栄研化学, 以下Kit E) の有用性を検討するため希釈直線性, インスリン, プロインスリンとの交差反応, 当センター通院中糖尿病患者血清C-ペプチド (CPR) を測定し, C-peptide KitIII (TFB, 以下Kit T), C-ペプチドリアシオノギII (塩野義製薬, 以下Kit S) の血中C-ペプチド測定キットと比較した. 通常のCPR濃度域では希釈直線性やキット間での相関は良好であった. CPR 1ng/ml以下の低濃度域でキット間の測定値にバラツキが生じ, ポリクローナル抗体 (Kit T, Kit S) を用いたキットはモノクローナル抗体 (Kit E) のキットより高値に測定された. モノクローナル抗体を用いたKit EはWHO標準濃度を正確に測定した. 内因性インスリン分泌の評価には, どのキットでのCPR測定値かを考慮する必要があると考察された.