糖尿病
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インスリン治療群における血糖管理指標としてのグリコアルブミンの有用性
船山 秀昭
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2003 年 46 巻 5 号 p. 375-379

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抄録

糖尿病患者のインスリン治療群では, 血糖値に比較し血糖管理指標であるHbA1cが低値を示す症例がしばしば見られる. インスリン治療群 (Insulin群) でのグリコアルブミン (GA) とHbA1cの比は, 管理良好な糖尿病患者において, 食事療法・運動療法単独群 (Diet群), 経口薬療法群 (OHA群) に比較して有意に高値を示し (P<0.01), HbA1cが相対的に低値を示すことが明らかとなった. また各療法群でのHbA1c値とGAHbA1c比の関係を見ると, HbA1cが6.596以下でlnsulin群は, Diet群, OHA群に比較して有意にGA HbA1c比は高値を示した. 同様な傾向は, 日単位の血糖管理指標である1, 5-AGにおいても認められた. グリコアルブミン (GA) は, 血糖管理指標として有用性が高く, 今回の検討において, HbA1cが相対的に低値を示すインスリン治療群の血糖管理指標としても, 非常に有用であることが確認された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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