1969 年 15 巻 p. 59-63
わが国の代表的重要魚種であるスケトウダラ(北洋産)について,凍結前の鮮度と生物学的要因が凍結・貯蔵後の肉質にいかに影響するかを検討し,以下の結果を得た.(1)死後硬直前から硬直中,できれば硬直初期位までの鮮度良好なタラ肉は解硬後のタラ肉に比べ,凍結後に細胎内凍結を生じドリップ量は少なく保水力も高く品質上優れていると認められた.(2)しらべた生物学的要因のうち,魚体の大小,性別ぱ肉質に影響しなかったが,産卵は顕著に品質低下をもたらした.このほか体色の違いも若干肉質に影響した.