1975 年 21 巻 p. 6-
酵母を保存するのに,流動パラフィン重層法のほかに凍結乾燥法も試みてきた.凍結乾燥をした酵母を10〜18℃に保存したときSchizosaccharomycesは17年間生存していたが,他の属のもののなかには凍結乾燥直後に死滅しているものもあった.この原因を追求するため,比較的凍結乾燥が困難だとされているBrettanomycesとのSporobolomycesを供試菌として用い,培養条件と凍結乾燥後の生残率をみた.その結果酸生成は生残率に関係がなく,偽菌糸をつくり易いものは死滅し易いことを認めた.そこで偽菌糸をつくり易い菌株でも安全に保存することを日的として,主として凍結条件を検討した.