1982 年 28 巻 p. 51-54
人工培地上での生存期間が短かく,しかも集落型変異が起り易いPasteurella multocidaを用いて乾燥過程中における各種分散媒の保護効果と復水条件について検討した.1)各集落型の乾燥後の生残菌数は莢膜保有株I型菌が最も少なかった.2)分散媒の保護効果は各集落型とも1%スクロース,1%グルタミン酸ソーダ20%馬血清の3種混合剤が最も高かった.3)復水液として硫酸マグネシウムを用いた場合,0.1〜1%の範囲内で,いずれもリン酸緩衝液に比べて高い生残菌数がえられ,菌体成分である核酸,蛋白の菌体外漏出は少なかった.