1988 年 34 巻 p. 66-68
緑膿菌ファージ18株のL-乾燥標品を調製し,乾燥直後,並びに37℃1及び3ケ月保存後のPFUを測定した.乾燥直後で10%以下の生存率しかなかった6株は,乾燥に対して感受性な要因を有するものと考えられる.37℃での保存中に著しく生存率が減少した5株の中で,宿主が紫外線感受性であった3株については,ファージ遺伝子に生じた傷害が,宿主感染後修復されないことが,この減少の要因と推察された.いずれのファージも,37℃3ケ月保存したとき,0.1%以上の生存率を示したことから,L-乾燥法により長期保存が可能であることが示唆された.