50%グリセリン溶液は徐冷,急冷いずれの-130℃以下への冷却によっても,その昇温サーモグラムから十分透化していたとみられた.10%グリセリン溶液は二段階凍結によつてのみ,透化部分の結晶化を示す昇温サーモグラムを示した.FICOLL 20%を添加すると昇温過程の発熱量が増大した.凍結感受性酵母Saccharomyces cerevisiae S16はグリセリン,FICOLL添加の二段階凍結によってのみ生残率が高いまま-130℃への凍結が出来た.これを-20℃に24h置くことにより,生残率は著しく低下した.これらの事から,部分透化させ,それを維持する凍結保存条件が生細胞に高い生残率をもたらすものであろう.