抄録
藻類の保存は40の機関でなされており,総計約3,000種,約11,000株に及んでいる.その殆んどは継代培養保存法で保存されている.継代培養保存では株により最適な保存温度・照度条件が異なるのみならず,培地の相も異なる.藻類の一部,たとえば藍藻類や緑藻クロロコックム目は凍結状態で保存することができる.生存率の測定はモリスの方法又は波多野らの方法で行われるが,FDA法のような細胞内酵素活性から判定する方法は真の生存率を反映しないことがわかった.コレクションは藻類の生理・生化学的研究を推進するために,単藻培養株の無菌化技術を開発していくことが必要である.