凍結および乾燥研究会記録
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13. 気相圧法による乾燥酵母の含水度測定(一般演題)
海老名 敏明高世 幸弘
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1963 年 7 巻 p. 90-93

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抄録
目的:乾燥BCGワクチンの含水度測定用に使用している気相圧法装置で乾燥酵母Brettanomyces cruxellensisの含水度を測定することを分担した。又一部は60℃3時間で放出される水量と98℃で放出される水量を測定して比較した。方法:気相圧法装置は10mg以下の乾燥BCGワクチンの測定用として用いているので、今回の乾燥酵母の16〜100mgのような大量の試料では1回に含水度を測定することは無理であった。60℃3時間を6回に分けて測定して水量を合計した。即ち初めは5分で1回、順次10分、20分、30分、1時間に1回に区分した。60℃3時間の測定が終ってから98℃に温度をあげて初めは10分に1回位の測定から約10回に分けて1時間毎の測定で水分が出なくなるまで測定した。8〜30時間を要した。成績:60℃3時間の測定ではskim milk 10%、sucrose 5%、monosodium glutamate 1%の混合媒液を乾燥したものの含水度は1.1〜1.2、1.3、0.8%であった。乾燥条件が最も強いものが含水度は少なかった。蒸留水懸濁酵母では4.0、2.4、1.5%であった。媒液懸濁酵母では4.1〜2.9%、1.5%、1.7%で乾燥条件が強いものが含水度が低くなる傾向が認められた。以上の60℃3時間測定の含水度は98℃測定の含水度と比べると媒液では約25%、蒸留水懸濁酵母では75〜80%、媒液懸濁酵母では27〜35〜50%であった。
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© 1963 低温生物工学会
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