抄録
東京都は島しょ地区遠隔医療支援の方策の一つとして,平成 6 年度より画像伝送システムを運用している.今回のアンケート調査目的は,運用開始より 15 年を経過した本システムの現状を評価し,今後の改善の必要性を明らかにすることである.併せて広尾病院の受け入れ記録の集計と検討を行った.
画像伝送システムは島しょ診療機関にとり,救急診療と通常診療の両面で使用される日常のコミュ ニケーションツールとして定着していた.本システムを活用することで,救急搬送の判断や容態急変 のリスク回避といった島民の緊急事態への対応のみならず,専門診療科や放射線科医師へのコンサルテーションを通して,離島での治療継続が可能であるかを判断していた.伝送件数は120 件/年から 291 件/年へ大きく増加した.転送内容は,CT 画像を含む白黒画像が 96.6%を占めていた. 現状の問題点は,「伝送作業に関わる問題」,「伝送時間の問題」,「画像の質」という全てインフラ整備に関わることであった.今後はこれらに「画像の安全性」を合わせた4つの問題に取り組むべきと 考える.
改善方法として,①X線写真装置のCR化を進めると同時に,取り込みから伝送までを一括処理できる PCシステムを選定すること,②医療機関間の伝送に関わるインフラを整備し,DICOM規格の画像データ伝送を可能にすること,③セキュリティー確保のため専用の伝送経路の選定が必要と考える.