日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-076
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その他-1
カニクイザルの日周性および性周期における血中ホルモン濃度の変化
*飯開 順子中島 幸博上田 智哉福田 康成深澤 清久佐久間 善仁那須 昌弘
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抄録
 近年,薬物の安全性評価において内分泌器官に対する影響の有無を評価しておくことが一般的になってきている.各種実験動物のうちラットについてはホルモン測定試薬の入手が比較的容易であり,背景データも蓄積されてきている.しかし,サルの各種ホルモンの背景データについてはまだ不充分な状況である.
その理由として:
 1. サルのホルモン標準品や測定試薬が入手困難であり,一方,入手可能なヒト用試薬の抗体は種特異性の点からサルのホルモンに対する反応性が低く使用できない場合が多いこと.
 2. 人畜共通のステロイドホルモンについても,ヒトとサルでは血中成分が異なり,ヒト用試薬では充分な精度で測定できない項目が少なくないこと.
などが挙げられる.
 我々は「市販の測定試薬を用いて雌性サルの性周期における血中ホルモンの変化および雄性サルの血中ホルモンの日周性の背景データを採取すること」を目的として,市販のradioimmunoassay (RIA) 法の測定試薬を用いて,定量性能の検証(バリデーション)を実施し,血中のホルモン濃度を測定した.
 雌性サルの性周期のホルモン濃度変化を捉えるために,生理日(menstrual period)を含む約1ヵ月間,3日に1回の頻度で採血し,血漿中のluteinizing hormone (LH),follicle-stimulating hormone (FSH),17β-estradiol (E2) およびprogesteroneを可能な限り測定した.
 また,雄性サルの日内のホルモン濃度変化を調べるために,9am,11am,1pm,3pm,5pm,7pmおよび11pmに採血し,血漿中adrenocorticotrophic hormone (ACTH),LH,FSH,thyroid-stimulating hormone (TSH),thyroxine (T4),triiodothyronine (T3),testosterone,aldosteroneおよびcortisol濃度を測定した.
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© 2006 日本毒性学会
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