日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-177
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免疫毒性
複数のパラメーターを用いたNon-RI LLNAの検討
*福山 朋季田島 由香里林 宏一配島 淳子藤江 秀彰松本 力林 豊上田 英夫首藤 康文小坂 忠司原田 孝則
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抄録
近年,Local Lymph Node Assay(LLNA)が新しい感作性試験として注目されている。我々の研究所では,3H-methyl thymidineを用いたLLNAに替わる方法として,OECDガイドラインの試験スケジュールに準拠し,複数のパラメーターを用いたNon-RI LLNAの検討を実施した。
実験では,8週齢の雌性CBA/Jnマウスに感作性物質であるTrimellitic anhydride (TMA; 1, 2.5, 5%)およびHexylciannamic aldehyde (HCA; 10, 25, 50%),刺激性物質であるSodium dodecyl sulfate(SDS; 5, 10, 25%)を 3日間(Day1-3,左右耳介に25μL)塗布した。Day6にBrdU 200mg/kgを腹腔内投与し,その2時間後,耳下リンパ節を採取した。検査項目として,耳下リンパ節重量,リンパ球数(コールターカウンター),リンパ球細胞1×10個あたりのATP活性(ルシフェラーゼ発光法)とBrdU 取り込み量(ELISA法)を測定した。
リンパ節重量およびリンパ球数は,TMA群全濃度およびHCA群25%以上で有意な増加を示した。また,その増加は用量依存性であった。SDS群では有意な増加をしめしたものの,用量依存性の変化ではなかった。ATP活性はTMAおよびHCA群の全濃度で有意な増加を示し,用量依存性の変化が認められた。SDS群では有意な増加はみられなかった。BrdU取り込み量は,TMA群の全濃度で有意に増加し,用量依存性の変化が認められた。HCA群は有意な増加はみられなかったものの,用量依存性の増加が認められた。SDS群では有意な増加はみられなかった。
以上の結果から我々の実施したLLNA法では,刺激性物質と感作性物質の鑑別が可能であることが示唆された。現在も様々な化学物質を対象に検討を継続中である。
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© 2006 日本毒性学会
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