日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-178
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免疫毒性
Local lymph node assayにおけるアイソトープを用いない各種エンドポイントの比較
*五十嵐 良明劉 麗鹿庭 正昭土屋 利江
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抄録
Local lymph node assay (LLNA)は試験物質の皮膚感作性を検出する方法として新たにOECDガイドラインに採用された。本研究では、LLNAにおける感作性物質によるリンパ節活性化反応をラジオアイソトープ(RI)を用いずに判定する非RI-LLNAの確立を目的として、近年報告されている種々の指標の検出感度を比較するとともに、新たに蛍光色素の取り込みを指標とする方法を提案する。24,-Dinitorochlorobenzene (DNCB)及びhexyl cinnamic aldehyde (HCA)をBALB/cマウスに3日間塗布した後、6日目に耳介リンパ節を取り出し、リンパ節重量を測定した。リンパ節細胞数は血球計算盤を用いて求めた。BrdU取り込み量はELISAによる吸光度を、細胞内ATP量は発光量を市販キットにより測定した。また、alamarBlue取り込み量を蛍光強度から求め、試験群の各測定値を溶媒塗布対照群のそれらと比較し、それぞれの指標について増加率(stimulation index, SI)を求めた。DNCBを投与した場合、リンパ節重量は溶媒対照の3.1倍になり、細胞数、ATP量及びalamarBlue取り込み量は5倍以上になった。HCAの場合、リンパ節重量におけるSI値は2.2で、他の測定指標では3から4となった。一方、BrdU取り込み量での判定では他の指標よりは低いSI値を示した。非RIエンドポイントのいくつかは、3HTdRのin vitro取り込み量による判定と同等のSI値を示し、短時間に、かつ同時に多検体の測定を実施できる利点があり、有用と思われた。
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© 2006 日本毒性学会
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