日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-187
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試験法:in vitro・代替法
マウスIL-3依存性骨髄芽球性細胞株(FDC-P2)を用いたin vitroコメットアッセイ
*大信田 系裕岩永 恵麻宮本 恵子宮本 庸平
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抄録
【目的】既知遺伝毒性物質であるMethyl methanesulfonate (MMS)、4-Nitrosoquinoline-Oxide (4NQO)、Cyclophosphamide (CP)およびBenzo (a) pyrene (B(a)P)についてマウスIL-3依存性骨髄芽球性細胞株(FDC-P2)を用いたin vitroコメットアッセイを実施し、画像解析ソフトによりTail moment、%DNA in tailおよびTail lengthを算出し遺伝毒性評価における画像解析の有用性を検討する。
【方法】FDC-P2細胞を各化合物で処理後、低融点アガロースゲルに浮遊させ、CometSlide(Trevigen®)または2-layer法により標本スライドを作製した。標本スライドはLysis solution(4℃、30分)、Alkali buffer(室温、20分)で処理後、4℃、1 V/cmの条件下でTBE bufferにて15分間電気泳動した。泳動後、SYBR Greenにて核を染色し、落射型蛍光顕微鏡下で泳動像を撮影し画像解析ソフトComet Analyzer v1.5(株式会社ユーワークス)により各パラメーターを算出した。
【結果】(1)MMSおよび4NQO処理によりDNA損傷出現率は用量に依存して増加した。(2)Tail moment、%DNA in tailおよびTail lengthは、MMSの25 μg/mL群、4NQOの0.05 μg/mL以上の用量群で有意に上昇した。(3)CPおよびB(a)PはS9 mixを用いた代謝活性化法によりDNA損傷を引き起こし、殆どのパラメーターが有意に増加した。
【結論】FDC-P2細胞を用いたin vitroコメットアッセイにおいて、画像解析ソフトComet Analyser v1.5により迅速かつ定量的な評価が可能であり、Tail moment、%DNA in tail、Tail lengthの各パラメーターは化合物によるDNA損傷を検出する指標として有用であった。また、S9を用いた代謝活性化法により代謝物が遺伝毒性を有する化合物についても、DNA損傷を検出できることが明らかとなった。
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© 2006 日本毒性学会
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