日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: TO-4
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第1回毒性オミクスフォーラム(共催)
Millefeuille システム ーPercellome プロジェクトの解析システム
*相崎 健一
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抄録
我々はPercellome手法を適用した大規模な化学物質投与実験を行い約90化合物におけるトランスクリプトームデータを取得して基盤データベースを構築すると共に、Percellomeに最適化した独自の解析アルゴリズム・ソフトウエア開発を行い、データの視覚化、発現パターン類似性による候補遺伝子検索、およびそれを発展させた教師なしクラスタリングを中心とした解析システム(MF System)を開発した(本件については同時開催の日本トキシコロジー学会年会においてもポスター発表する)。MF Systemを活用する事で、例えばGeneChip 50枚規模の実験データの場合、データ取得当日中にデータ品質検査が、さらに基本的な発現情報検索から全遺伝子の教師なしクラスタリングまでを3日間で完遂できるようになった。
この基本解析により発現パターンによって分類された候補遺伝子リストが多数生成される。一部の幸運な例では直ちに新規の毒性関連反応を見いだすことが出来た。またそうでない場合のための1つの補強手段として、GeneOntologyなどの既存知識を利用して候補遺伝子リストの理解を支援するソフトウエア(MF GoPlot)を開発した。このツールは一種の化合物クラスタリングとしても利用することができる。
さらに候補遺伝子リストを基に複数化合物間比較を行い、複数条件下においても同期して発現する遺伝子群を自動抽出するシステムも開発した。本システムで得られた同期遺伝子群はシグナルカスケードの構成単位である可能性があり、データベース化しつつ、その解析を進めている。
本発表では、これら解析システムの詳細を中心に、いくつかの応用例(データベース規模拡大にも重要な複数プラットホーム間データ変換を実施した例や、プロテオミクスデータを取り込んだデータ解析の試み)についても言及したい。(厚労科研費・H15-化学-002)  
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© 2006 日本毒性学会
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