日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: TO-3
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第1回毒性オミクスフォーラム(共催)
Percellome法のリアルタイムPCR等への適用
*中津 則之
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抄録
 Percellome法は、遺伝子発現を細胞1個あたりのmRNAコピー数として得る手法であり、条件が整えば様々なプラットフォームに適用可能である。その一つとして最も定量性が高いとされるリアルタイムPCR(RT-PCR)にPercellome法を適用した。現行のRT-PCR絶対定量法では、遺伝子毎に検量線が必要であり、多数のサンプルについて多数の遺伝子を検討するには不向きである。Percellome RT-PCRでは、マイクロアレイと同様の原理を用いる。即ち、サンプル破砕液に、その細胞数に比例する量のスパイクカクテル液(GSC, 5種類のBacillus RNA mix)を添加し、それらのCt値をPCRプレート毎の検量線とすることにより、測定したい遺伝子のCt値を細胞1個あたりのmRNAコピー数に換算することができる。Affymetrix GeneChipのPercellome結果と9割程度の整合性が確認された。GAPDHやActinなどのハウスキーピング遺伝子との発現比を用いた際に問題となる相対変動要因、少数の遺伝子を検討する際にGlobal normalization法が適応し難い問題等がPercellome法の適用により解決されることが示された。
 加えて、新技術としてExon アレイ及びメタボロミクスについて紹介する。Affymetrix社のHuman Exon 1.0 ST Array と従来型のアレイHuman Genome U133 plus 2のヒト癌細胞株2株から調整したLBM標準サンプル(100:0、75:25、50:50、25:75及び0:100混合5サンプル)による比較結果を紹介する。血清サンプルのメタボロミクスデータと肝の遺伝子発現の関連についてはTributyltin投与実験を用いて紹介する。(厚労科研費H15-化学-002、H16-化学-001)
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© 2006 日本毒性学会
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