日本トキシコロジー学会学術年会
第34回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-125
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試験法 in vivo
太陽類似光を用いたキノロン薬光毒性評価におけるin vivoとin vitro結果間の解離
*後藤 浩一矢部 光一土屋 由美山口 百合鈴木 貴美高砂 浄神藤 敏正真鍋 淳
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抄録
キノロン薬lomefloxacin(LFLX)、sparfloxacin(SPFX)、ciprofloxacin(CPFX)、gemifloxacin(GMFX)、levofloxacin(LVFX)およびDC-159aの太陽類似光による光毒性誘発性をin vivoおよびin vitroで比較した。In vivo光毒性試験では、6週齢の雌性Crl: SKH1-hr(ヘアレス)マウスを用い、各キノロン薬の100 mg/kgを静脈内単回投与後、直ちに太陽類似光(sunlight simulator SOL500)を4時間照射し、その後背部皮膚の変化を経日的に3日間観察した後、組織学的検査を行った。また、背部皮膚中濃度をLC/MS/MS法で測定した。In vitro光毒性試験では、OECDテストガイドラインに従い光毒性強度(photo-irritation factor、PIF)を求めた。その結果、in vivo試験における背部皮膚の変化は、LFLX = SPFX > CPFX > GMFX > LVFX > DC-159aの順に強かったのに対し、in vitro試験でのPIFは、GMFX (>16.4) > SPFX (>14.9) >> LFLX (>7.5) > CPFX (>6.9) ≒ LVFX (>6.8) > DC-159a (>2.2)の順であり、結果に解離が認められた。皮膚中CmaxはLVFX (37.4 μg/g) > DC-159a (30.7) > SPFX (28.5) ≒ CPFX (28.3) > GMFX (26.2) > LFLX (25.3)、皮膚中AUC0-4hはGMFX (67.0 μg∙h/g ) > CPFX (63.3) > DC-159a (54.3) > LFLX (43.7) ≒ SPFX (43.0) > LVFX (30.3)の順であった。以上、キノロン薬のin vivoおよびin vitro光毒性試験結果の解離の一部には、皮膚中薬物滞留性が関与していると考えられた。
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© 2007 日本毒性学会
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