日本トキシコロジー学会学術年会
第34回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-124
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試験法 in vivo
無麻酔・非拘束カニクイザルの呼吸機能及び心血管系機能同時測定について
*今泉 真和佐々木 一暁馬 成俊中村 康生直 弘飯塚 宏美西 勝英
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抄録
安全性薬理コアバッテリー試験に関するガイドラインには無麻酔・非拘束動物で実施することが望ましいとされている.最近は、ラットやイヌだけでなく、サルで実施する機会が増えている.サルの中枢神経系および心血管系については無麻酔・非拘束下で観察する方法が確立している.しかし、呼吸機能についてはストレスの大きい拘束下に採取した動脈血のガス濃度を分析する方法が殆どであった.そこで、ストレスの少ない無麻酔・非拘束カニクイザルの呼吸機能を定量的に解析するために、whole body plethysmograph法を試みた.また,同時にテレメトリー法にて血圧,心拍数及び心電図の測定も行った. 予めテレメトリー用送信機を埋め込んだ体重3.0 kg以上の雄性カニクイザルを用いた.サルを収容したケージに呼吸機能解析装置をセットした特製チャンバーを被せ、whole body plethysmograph法で呼吸数および1回換気量を4時間以上測定し、分時換気量も求めた.標準的薬物として、塩酸モルヒネを用いた. 結果:ラットの場合と同様に呼吸数の外に1回換気量も4時間以上に亘って安定して測定することが可能であり心血管系のパラメータも測定することが出来た.塩酸モルヒネの10 mg/kg皮下投与後、呼吸数および分時換気量は持続的に減少し、1回換気量は増大した. Whole body plethysmograph法でカニクイザルの呼吸機能を安定して定量解析することが出来た.また、代表的な呼吸抑制薬であるモルヒネの比較的低用量で抑制的な変化が捉えられた.以上のことから、今回の測定法に問題は無いと考えられた.またケージの前にビデオカメラをセットすれば、同一サルで効率良く安全性薬理コアバッテリー試験を遂行することが出来るものと考えられた
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© 2007 日本毒性学会
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