日本トキシコロジー学会学術年会
第34回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-132
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試験法 in vitro、代替法
培養ラット胎児へのボグリボースの影響について
*秋田 正治横山 篤ロバート タス
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抄録
【目的】ボグリボースは血糖降下薬として優秀で一般に広く処方されている。作用機序は二糖類を単糖類にするα‐グルコシダーゼを阻害して糖の吸収を困難にする。今回の実験では、ラット胎児が発育する上で必須なエネルギー源である糖類の吸収を阻害した場合について検討した。【方法】ラット胎児は胎齢11日目を母体外に取り出し48時間培養した。胎児培養法は自動送気型回転培養装置を用いるシステムを使用した。ボグリボース300μg/mlを培養液内に処理し、培養液は薬物結合蛋白除去ラット血清を用いた。【実験結果】培養ラット胎児の心拍動数、総体節数および外表形態において対照群とボグリボース処理群との間に差は認められなかった。また、血液体循環、卵黄嚢循環ともに正常であった。しかし、培養終了時点でのボグリボース処理群では対照群に比べて胎児頂殿長が3%、胎児総蛋白量は8%の低下を示した。【考察】以上のことは、形態異状と呼ぶには軽度の小仔である。しかし、妊娠母体が糖尿病になる危険性を考えると、この変化は見逃せない。この現象が低血糖状態によるものかは糖分添加実験で現在追跡調査中である。
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© 2007 日本毒性学会
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