日本トキシコロジー学会学術年会
第34回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: WS5-2
会議情報

環境毒性評価法の現状と今後
化学品の法規制と環境生物保全
*齋藤 昇二
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
現在,天然由来のものも含めて2800万種の化学物質が全世界に存在し,そのうち10万種類が工業的に製造され流通して いるといわれている。化学物質は我々の生活に密接に関わり無くてはならないものになっているが,その一方で,使い 方を誤るとヒト健康のみならず環境生物にも重大な影響を及ぼす可能性がある。
化学物質はその製造,加工の過程のみならず,様々な使用の過程,及び,リサイクルや廃棄の過程においてもその一部 が環境中に漏出する可能性がある。そして,環境中において大気や水系,土壌に分配し,太陽光や微生物などによる分 解を受けると共に,その一部は環境生物に暴露されることになる。そのため,個々の化学物質の特性を把握して,その リスクを適正に管理することが求められる。
ここでは,現在運用されている化学品安全に関する事前審査制度の例として,国内の化学物質審査規制法(いわゆる化 審法)と欧州の理事会指令67/548/EECに基づく法規制を取り上げ,特に,環境生物保全の観点からどのような評価が 求められているのか概説する。さらに,これら蛇口規制を補うものに位置づけられる水生生物保全のための環境基準や PRTR法などについても説明を試みたい。
著者関連情報
© 2007 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top