日本トキシコロジー学会学術年会
第35回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-111
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毒性試験
抗がん剤のラットにおける神経毒性(疼痛過敏)
今泉 真和*高橋 郁夫西山 雄一直 弘西 勝英
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キーワード: 抗がん剤, 神経毒性, 痛み
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抄録
目的: 抗がん剤は,癌の治療に重要な役割を果たしている.しかし,抗がん剤は,さまざまな副作用を引き起こし,患者の生活の質において重要な問題になっている.抗がん剤の副作用の1つである疼痛過敏症という神経毒性に着目し,オキサリプラチンおよびパクリタキセルの2剤を用いて,ラットの末梢神経に対する影響を疼痛閾値の変化を指標に検討した. 方法: オキサリプラチンは,4 mg/kgを3あるいは4日間隔で2回静脈内投与する群と2 mg/kgを3あるいは4日間隔で4回静脈内投与する群(いずれも合計8 mg/kg投与)を設定し,投与開始から6週目まで週1回の頻度で疼痛閾値(冷感刺激,10 °Cのtail immersion test)を測定した.パクリタキセルは,3あるいは4 mg/kgを隔日に4回腹腔内投与する群を設定し,投与開始から6週目まで週1回の頻度で疼痛閾値(機械刺激,ダイナミックプランタ装置)を測定した. 結果: オキサリプラチンの2回静脈内投与および4回静脈内投与のいずれの場合も,投与開始3週目あたりより疼痛閾値は低下し始め,その低下は5週目にはプラトーに達した.その疼痛閾値の低下は用量の増加に伴ったものであった.パクリタキセルは,投与開始4週目あたりより疼痛閾値が低下し始め,5週目以降はプラトーに達した. 考察: オキサリプラチンあるいはパクリタキセルの投与により,疼痛過敏症の発現が確認できた.疼痛過敏症の発現は,末梢神経の変性によるものと考えられていることから,抗がん剤投与後の疼痛閾値測定は,抗がん剤の副作用検索の評価系として有用であると考えられた.
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© 2008 日本毒性学会
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