日本トキシコロジー学会学術年会
第35回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-134
会議情報
毒性試験法 I
フローサイトメトリー法によるマウスの末梢血および脾臓におけるリンパ球サブセット検査の基礎的検討
*小田部 耕二平澤 由貴小泉 妙子倉田 昌明野村 護
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】免疫毒性試験法の一つであるイムノフェノタイピングは免疫毒性試験ガイドラインにおいて技術的なバリデーションが求められている.今回,フローサイトメトリー法によるマウスのリンパ球サブセット検査について,抗体濃度,試料の固定,死細胞除去,保存安定性,試料調整および測定の再現性,絶対数の算出,試料の細胞数を検討した.【方法】ICRマウスから採取したEDTA血および単離脾細胞に溶血剤を添加して洗浄し,2×106cells/mLに細胞数を調整した.細胞浮遊液にFC Block抗体を添加後,FITC-CD4,PE-Cy7-CD8a,APC-CD3e,PE-CD49b/Pan-NK,APC-Cy7-CD45R/B220の各抗体を加えて染色し, BD FACSCanto IIおよび解析ソフトBD FACSDiva(ベクトン・ディッキンソン)を用いて解析した.死細胞染色には7-AADを使用した.また,ADVIA120(シーメンス)で測定したリンパ球数に細胞比を乗じて絶対数を算出した.【結果】標識抗体は5倍希釈しても大きな影響はなかった.試料の固定により末梢血でNK細胞比が低下した.死細胞の除去により脾細胞のCD8T細胞比が減少した.末梢血は6時間の室温保存および24時間の冷蔵保存で安定であった.試料調整後に固定した試料は末梢血および脾細胞共に24時間安定であった.試料調整の再現性および調整済試料の測定再現性は共に良好であった.リンパ球数と各細胞比から算出した細胞数に比べて絶対数測定用のビーズ数から算出した細胞数は低下した.試料の細胞数は1×106cellsと1×105cellsで差はなかった.【結論】今回使用した6カラー解析フローサイトメーターは一つのサンプルチューブで死細胞除去を含めたT/B/NK細胞を同時に解析することができ,従来の機種に比べて極少量の試料で迅速な測定が可能であった.
著者関連情報
© 2008 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top