日本トキシコロジー学会学術年会
第36回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: W2-3
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毒性質問箱2009 第一部 トキシコロジストの研鑽
研究会における人脈形成
*下村 和裕
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キーワード: 人脈形成, 研究会, 教育
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抄録

トキシコロジストとしての教育は会社における教育プログラム、安全性試験が行われる現場でのOJT、各種の認定制度ならびに学会や研究会への参加を通して行なわれている。 一般的に研究者はいくつかの学会に所属し、年に1回行なわれる学術年会に参加する。また、参加自由のセミナー等に参加して外部の情報や最新の情報を入手する。しかし、これらはほとんど発表者からの一方向の情報伝達であり、実際に自分が必要とする具体的な情報が得られるとは限らない。自ら文献や成書を探しても、毒性の評価にかかわることやテクニック的なノウハウなどは印刷物の中から見つけ出すことが難しいものもある。経験者からのアドバイスが欲しくても、社内には経験者がいないこともある。 学会ほど大きな組織ではなく、比較的限られた分野の研究者が集めって構成されるものとして研究会や勉強会がある。100人を超えるメンバーを抱える大きな研究会もあるが、一般的には数十人程度で運営されていることが多い。継続して参加することによって、メンバー間でお互いに顔と名前が一致し、その人のバックグラウンドもわかってくるようになる。著明な先生に研究会に参加していただけば、直接、話を聞くこともできる。小さい集まりであるが故にこのような人脈形成が可能となる。また、小さい研究会では比較的若い研究者が会で取り上げるトピックスとして、自分の知りたいことを提案して、セッションを企画することにより、情報の発信側となることもできる。「Give and take」とよく言われるが、自ら調べて研究会でgiveすることが、自然にtake につながって行く場合も多い。人脈形成とは情報のネットワークの構築であり、これを活用することは自らのレベルアップに大きく貢献すると思われる。この発表では、学会ではなく研究会だからこそ可能なトキシコロジスト研鑽について紹介したい。

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© 2009 日本毒性学会
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