日本トキシコロジー学会学術年会
第36回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: W2-4
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毒性質問箱2009 第二部 安全性薬理試験Q&A
バイオプロダクトの安全性薬理
*南谷 賢一郎竹藤 順子宮内 慎
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抄録

ヒト蛋白として設計されているバイオ医薬品は、組織交差性や種差により従来の実験動物を用いた非臨床試験の結果から臨床での有害事象を予見しにくくなっているのが実状である。そのような背景のもと、ICH S6ガイドライン「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」やFDAの「Points to consider in the Manufacture and Testing of Monoclonal Antibody Products for Human Use」では、バイオ医薬品の安全性評価は、「ケースバイケース」が基本的な考えとなっている。すなわち、現場担当者としては、画一的な試験手法にとらわれずに新規評価系を導入したり、低分子医薬品の評価系として確立された系をバイオ医薬品に適した評価系へと改良させたりする必要がある。 安全性評価研究会では、昨年の本学会ワークショップ「毒性質問箱2008」においてバイオ医薬品の毒性試験の進め方について取り上げた。抗体医薬品の毒性評価方法や核酸医薬品の開発の現状について紹介し、現状の画一的な試験計画に終始しがちな非臨床安全性試験に対する問題提起を行った。そこで、本年のワークショップでは、より具体的にバイオ医薬品の安全性薬理試験に着目することにした。ICH S6ガイドラインには適切な動物モデルを用いて有害な薬理作用を検証することの重要性が記載されており、多くのバイオ医薬品で試験が実際に実施されている。バイオ医薬品、特に抗体医薬品の安全性薬理試験の現状について紹介し、課題や今後の取り組みについてQ&A形式で議論していきたい。

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© 2009 日本毒性学会
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