日本毒性学会学術年会
第39回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-129
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胎生期di(n-butyl)phthalate暴露ラット成獣期における精巣Leydig細胞過形成に関する検討
*白井 勝武藤 朋子本橋 昌也鷹橋 浩幸羽野 寛和久井 信
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抄録
【目的】Di(n-butyl)phthalate (DBP)はプラスチックの可塑剤や接着剤等の原料として現在も広く用いられ、ヒトおよびげっ歯類に発達障害・代謝障害・生殖障害等を引き起こす内分泌かく乱化学物質と考えられている。我々は過去、胎生期から授乳期にDBP暴露を受けたラットでは、成獣期に精巣Leydig細胞の過形成を示すことを報告した。本検討では、胎生期DBP暴露ラットの若年期から成獣期に至るまでの精巣Leydig細胞の変化について検討を行った。【材料方法】SD(slc)ラット妊娠後期にDBP100mg/kg/dayを連日経口投与を行い、生後3,5,7,9,14週齢に剖検を行いなった後に精巣について検討を行なった。【結果】相対精巣重量は、生後7週齢までDBP群と対照群の間で有意差は認められなかった。しかし、生後9週齢以降のDBP群・相対精巣重量は対照と比較して有意に低値を示した。さらに、生後7週齢まで、DBP群・精巣Leydig細胞数は対照群と有意差は認められなかったが、生後9週齢以降ではDBP群・精巣Leydig細胞数は有意に増加し、Leydig細胞過形成が散見された。対照群と比較して、精巣testosteron (T)値は、生後3-14週齢で低値を示した。これに対し生後7週齢まで、精巣estrogen (E2)は高値を示し、luteinizing hormone (LH)値は低値を示した。また、生後9週齢以降では精巣E2は対照群と有意差は認められなかった。しかし、LHは対照群と比較して高値を示した。【まとめ】胎生期DBP暴露ラットの成獣期・精巣Leydig細胞過形成の一要因として、同時期におけるT値の低下とLH値の上昇が示唆された。
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© 2012 日本毒性学会
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