日本毒性学会学術年会
第39回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-229
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トキシコゲノミクスプロジェクトにおける対照群データの解析
*中津 則之五十嵐 芳暢山田 弘漆谷 徹郎大野 泰雄
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抄録

【目的】
医薬品開発における医薬品の安全性予測に資する安全性バイオマーカーの探索を目的としたトキシコゲノミクスプロジェクト(TGP1)およびトキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト(TGP2)において10年間の産官共同研究を行った。これらの研究の中で10年間に渡って取得した7,000例の対照群の血液学、血液化学、病理所見等のデータおよびそのうち4,000例の遺伝子発現データについて、取得した様々な条件において比較・解析を行うことを目的とした。
【方法・結果】
医薬品中心の約200化合物について、Crl:CD(SD)ラットにそれぞれ単回および反復投与した。単回投与後3, 6, 9, 24時間後および3, 7, 14, 28日間反復投与24時間後に剖検を実施した。これらの実験において、対照群として溶媒投与群を設定しており、本発表の解析にはこれら対照群のデータを用いた。血液学、血液化学、病理所見とともに各群5例中3例についてはRat Genome 230_2.0 Gene Chip (Affymetrix社)を用いて遺伝子発現データを取得した。
対照群は10年という長期にわたって大量に取得されているため、時点の他にも、4社のCRO、0.5%メチルセルロース, コーン油などを溶媒とした強制経口投与、生理食塩水等を溶媒とした静脈内投与・腹腔内投与など様々な条件の対照群が含まれている。これら様々な条件に基づき、統計解析・グラフ化により対照群を比較検討した結果、遺伝子発現におけるArntl, Cry2等の日内変動を示す遺伝子群、週齢変化に伴い発現の変化する遺伝子群、また、溶媒の差異に伴う各種測定項目といった変化を示す条件、CROの違いなど変化を示さない条件など背景情報を整理することができた。
【謝辞】
本研究は厚生労働科学研究費補助金H14-トキシコ-001およびH19-トキシコ-001による。

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© 2012 日本毒性学会
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