日本毒性学会学術年会
第40回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-8
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一般演題 ポスター
化粧品原料の光安全性評価におけるROS assayの応用
*西田 勇人廣田 衞彦北垣 雅人鈴木 源加藤 尚視尾上 誠良山田 静雄上月 裕一
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抄録
【目的】安全性の高い化粧品を開発する上で,原料の光毒性及び光感作性を評価することは非常に重要であり,光安全性を評価できる新たな試験法の開発が求められている.本研究では Reactive oxygen species(ROS)assay を化粧品の光安全性を評価する上で有用か否かを確認すると共に,UV 吸収測定及び 3T3 NRU PT(OECD TG432)との組み合わせによる光安全性評価の検証を行った.
【方法】UV 吸収剤,香料及びエッセンシャルオイル等を含む 50 物質(光毒性・光感作性物質32 物質を含む)について UV 吸収測定,ROS assay 及び 3T3 NRU PT を用いて評価し,得られた結果を光安全性の文献情報と比較した.また,ROS assay 評価が困難とされる分子量が不明な素材(植物抽出液等)について濃度の観点から最適な測定条件の検討も実施した.
【結果・考察】ROS assay は 3T3 NRU PT の結果と良好な対応性を示し,光毒性及び光感作性の陽性物質に対してはより高感度に検出できることが明らかとなった.分子量が不明な素材については,ROS assay の試験濃度を 50 μg/mL に設定することで評価可能であることが示唆された.分子量が既知の素材に対して本試験条件を適用したところ,従来の測定プロトコル(200 μM)での結果並びに文献情報と高い一致性を示したことから設定条件の妥当性を確認した.また,UV吸収測定の結果,2 品の例外(Musk ketone, Musk xylene)を除き,モル吸光係数を 1000 に設定することで光毒性・光感作性の有無の判断が可能であった.以上のことから,ROS assay は化粧品原料の評価に関しても有用であり,UV吸収測定と合わせることで,偽陰性の少ない光安全性評価系を構築できるものと考えられた.
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© 2013 日本毒性学会
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