日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: JH-2
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就職活動支援プログラム 安全性研究紹介
安全性試験受託研究機関(非臨床CRO)について
*孫谷 弘明
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抄録
医薬品開発における非臨床安全性試験は、新規医薬品候補化合物が体内に及ぼす影響についてその標的臓器や用量依存性、暴露との関係及び回復性など、その化合物が持つあらゆる毒性学的特徴を動物を用いて明らかにすることを目的としている。非臨床安全性試験には一般毒性試験、生殖発生毒性試験、安全性薬理試験、遺伝性毒性試験、光毒性試験など様々な試験があり、さらにこれらの試験では国際的な基準であるICHガイドラインに従い、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準(Good Laboratory Practice、GLP)を遵守することにより、得られたデータの信頼性を担保することが求められている。非臨床CROは、非臨床安全性試験に特化して実施できる機関であり、主に製薬企業や大学・研究機関等から試験を受託し、実施する。多くの製薬企業の安全性研究部門は、複数の候補化合物の開発プロジェクトが同時に進んでいることが少なく無く、例えば安全性試験の幾つかを自社と平行して非臨床CROにアウトソースすることで研究開発期間を短縮することができる。また、GLPに準拠した安全性試験を実施するにはGLPに準拠した施設での実施が必須であるが、そのような施設を有していない大学・研究機関も、臨床試験(治験)の実施のための非臨床安全性試験のデータを得ることができる。最近では医薬品開発における様々なニーズに対応するため、非臨床CRO各社で新規毒性試験法のバリデーションや新規毒性マーカーの測定法開発などが活発に行われており、医薬品開発における非臨床CROの役割は年々大きくなってきている。本発表では、一般毒性試験を中心とした非臨床安全性試験の概略及び医薬品開発における非臨床CROの役割について詳しく紹介する。
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© 2014 日本毒性学会
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