日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-112
会議情報

一般演題 ポスター
Göttingen minipigにおける採血条件による血液及び血液生化学的検査値の比較検討
*長瀬 孝彦久保田 友成鈴木 信介今泉 隆人安藤 次郎加藤 英男太田 隆雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】今回、我々は当施設で実施した一般毒性試験における血液及び血液生化学的検査値を集積し、採血条件が検査値に及ぼす影響について比較検討した。【方法】2010~2013年に実施した試験のうち、6~10カ月齢の雄性Göttingen minipigの各検査値を採血条件別(覚醒下、麻酔下及びカニュレーション採血)に集積した。【結果】血液検査:覚醒下採血では麻酔下及びカニュレーション採血と比べてRBC、HGB、HCTの高値とPLTの低値がみられた。カニュレーション採血では、覚醒下及び無麻酔下採血と比べてFbgの高値がみられた。血液生化学的検査:覚醒下採血では麻酔下及びカニュレーション採血と比べてALP、Kの高値が、麻酔下採血と比べてUN、Creの低値がみられた。また、覚醒下及び麻酔下採血ではカニュレーション採血と比べてCKの高値がみられ、そのばらつきも大きかった。【まとめ】採血方法により検査値に相違がみられた。すなわち、最も生理的安静状態に近いカニュレーション採血と比べて、麻酔下採血では針の刺入の影響(血液生化学検査)がみられ、これに加えて覚醒下採血では動物の保定による影響と採血時の体動による影響(血液学的検査)が認められた。このような採血方法による検査値への影響は、ミニブタの採血時の体動及び保定の影響が大きいことが判明したが、一般毒性試験では多くの場合、覚醒下で実施されている。我々は、覚醒下採血による検査値への影響を軽減する目的で、ハンドリングよる馴化方法について検討しており、ハンドリング馴化を実施していない検査値との比較検討についても報告する予定である。
著者関連情報
© 2014 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top