日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-226
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一般演題 ポスター
蛍光強度測定法の導入によるumuテスト評価系の改良
*土山 博美桜田 恵里山崎 由里大信田 系裕宮本 庸平
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抄録
umuテストはDNA修復におけるSOS反応を指標とした遺伝毒性評価系であり、その原理から幅広い遺伝毒性物質の検出に用いられている。Ames試験と比較して所要時間も短く、少量の被験物質で実施可能であり、遺伝毒性の簡便かつ迅速な評価法として有用である。しかしながら、反応系内で析出物が生じる場合には、析出物によって吸光度測定が妨害され判定が困難となる。今回、umuテストの感度向上のため蛍光強度測定法の導入を検討した。菌体を被験物質存在下で37℃、2時間インキュベートした後、SDS処理により溶菌させ、蛍光基質フルオレセイン-β-D-ガラクトピラノシド(FDP)を添加することで、SOS反応を感度良く蛍光強度で測定することが可能となった。本評価系で複数の既知化学物質を評価した結果、従来法と同等の判定結果が得られた。本評価系において析出物が蛍光強度に及ぼす影響は小さく、吸光度に変化を生じる析出物が存在しても蛍光強度にはほとんど影響がないことが示された。
以上の結果から、SDSを用いて溶菌し蛍光強度を測定するumuテスト改良法は、従来法では測定困難であった析出物の存在下でもSOS反応を適切に検出できることが確認された。
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© 2014 日本毒性学会
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