日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-26
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優秀研究発表 ポスター
CT撮影装置を用いたミニブタの体表面積の計測(その2)
*伊藤 格藤村 高志鈴木 信介久保田 友成荒井 剛志小山内 康夫小沼 克安大川 恭平島戸 望樋口 勝洋川部 美史三好 雅史宮原 和郎
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抄録
【背景】近年、医薬品あるいは医療機器開発における非臨床試験にミニブタの利用が増加している。特に経皮投与毒性試験においては、ミニブタが選択されることが多い。経皮投与毒性試験においての投与面積は、体表面積の10%とすることが一般的である。さらに、動物からヒトへの外挿において、投与量を体表面積で補正することが可能であるとされている。体表面積はMeeh(1879)の式:体表面積(cm2)=k×体重(g)2/3によって推定値として求められる。kは体格を反映する定数であり、動物種毎に様々な値が報告されている。豚ではSpector(1956)がk=9.0と報告している。しかしながら、豚とミニブタでは体格に相違があること、従来の体表面積測定法として皮剥ぎ法及び紙型法等が挙げられるが、いずれも正確性も再現性も低いことが指摘されている。
【目的】CT撮影装置を用いて撮影した連続断面画像の解析により、体表面積を正確に計測することが可能である。そこで、我々は昨年の本学術集会においてCT撮影装置を用いてミニブタ6例の体表面積を計測し、そこから得られたk値を発表した。今年は、ミニブタの例数をさらに増やして報告する。
【材料および方法】これまで21例のミニブタ(Göttingen及びNIBS)体重:7.9~41.5 kgを4列マルチスライスCT撮影装置(Alexion TSX-033A、東芝メディカルシステムズ株式会社)を用いて撮影した。得られた画像データを3D画像解析ソフト(高速三次元解析ソフトウェア:TRL-3D/VOL)を用いて、マーチングキューブス法に基づいて解析した。
【結果】体表面積は2906~8675 cm2となり、k=7.24~8.69(平均:7.95)が得られた。このk値は、過去に報告された豚のk値とは異なっていた。今後、今回得られたk値をミニブタのk値として提唱する。
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© 2014 日本毒性学会
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