日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-75
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一般演題 ポスター
H295R Steroidogenesis Assayによるステロイドホルモン生合成への作用評価
*藤本 和則横田 初枝松岡 俊樹鈴木 千春高崎 渉
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抄録

【目的】ヒト副腎皮質由来の培養細胞であるNCI-H295R(以下H295R)は、コレステロールからステロイドホルモンを生合成する能力を有しており、この培養細胞を用いて化合物のステロイドホルモン生合成への影響を評価する方法(H295R Steroidogenesis Assay)が2011年にOECDでガイドライン化された。今回、このOECDガイドラインに従い本評価系を構築し、モデル化合物を用いてそれらのステロイドホルモン生合成への影響を評価した。
【方法】評価系の構築:適切な継代数のH295R細胞にpositive controlとしてデータの記載があるForskolinとProchlorazを48時間曝露し、その培養上清中のTestosterone(以下T)とEstradiol-17β(以下E2)の濃度ならびに細胞障害性を評価し、その結果をOECDガイドラインの評価基準と比較した。モデル化合物を用いた評価:ステロイドホルモン生合成に影響を与えることが報告されているAtrazine、DL-Aminoglutethimide、Letrozole、Molinate、Trilostaneを48時間曝露し、その培養上清中のTとE2濃度を評価した。
【結果と考察】ForskolinによるTとE2の生合成亢進およびProchlorazによる生合成阻害の程度、ならびに溶媒対照におけるTとE2の生合成能は、一部を除き、OECDガイドラインの評価基準を満たしていた。また、モデル化合物曝露後のTとE2濃度の変化はそれぞれのメカニズムおよび既存のデータと一致していた。以上より、本評価系は構築され、また化合物のステロイドホルモン生合成への影響を培養細胞レベルで評価できる有効な方法であることが示された。

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© 2014 日本毒性学会
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