日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: S20-2
会議情報

シンポジウム 20 医薬品開発におけるNon-CYP 薬物代謝酵素の理解と実践
アシルグルクロニドが引き起こす細胞毒性とその予測
*藤原 亮一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 薬物は多くの場合、肝臓に発現する薬物代謝酵素によって代謝されるが、代謝反応により強い毒性を有する反応性代謝物が生じる場合もある。薬物のカルボン酸基がグルクロン酸抱合を受けて生成するアシルグルクロニドは特に不安定な反応性代謝物であることから、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)が触媒するグルクロン酸抱合反応は薬物誘導性の毒性発現に深く関与している。ヒトにおいて認められる薬物誘導性肝障害の多くはアシルグルクロニドをはじめとする反応性代謝物によるものであると考えられており、その毒性発現を回避するため、ヒトにおける薬物のグルクロン酸抱合の正確な予測や毒性発現メカニズムの解明が急務となっている。UGTは腸や腎臓、肺など様々な肝外組織にも多く発現していることから、肝以外の薬物誘導性障害に関与することが考えられる。
 皮膚は紫外線や細菌・ウイルスなど様々な外部からの刺激や感染源から生体を守る生体防御システムの最前線に位置する組織である。皮膚は体重の約8%を占め、肝臓に次いで2番目に多い全血液の1/3が循環している組織である。一方、皮膚はスティーブンスジョンソン症候群や乾癬をはじめとする、様々な薬物由来の副作用発現部位でもあり、皮膚にUGTなどの薬物代謝酵素が発現する場合は、それらは皮膚細胞内における薬物や反応性代謝物の濃度に影響を及ぼし、薬物誘導性皮膚疾患の発症に関係している可能性が考えられる。しかし皮膚におけるUGTの発現や機能は現在までに明らかにされていない。
 本シンポジウムでは、アシルグルクロニドによる肝毒性発現メカニズムに関する現在までの研究状況について概説した後、ヒト化UGT1(Human UGT1+/Mouse Ugt1-/-)マウスを用いたヒトにおける薬物のアシルグルクロン酸抱合反応や毒性発現の予測、また皮膚におけるUGTの発現と薬物誘導性皮膚疾患への関与について紹介する。

著者関連情報
© 2014 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top