日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-234
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一般演題 ポスター
マイクロCTの非臨床試験への応用
*斧研 雅子関 雄史井戸 大介武井 由弘佐藤 伸一
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抄録

現在,非臨床試験において,腫瘍や血管,骨疾患など生体内における臓器の形態的な変化を確認したり,長期間に渡る経時的変化を把握するために多くの動物が供試され,動物愛護やコストの面から問題を抱えている.臨床ではコンピューター断層撮像(CT)や磁気共鳴画像(MRI)が利用されており,胸腔内疾患,腹腔内疾患,頭部疾患,骨疾患などの診断・治療に活用されている.近年,小動物でも画像診断に対する要求は高く,特に創薬を目指した多くの研究領域において生体を対象とした非侵襲のイメージングシステムとして,陽電子断層撮影(PET)や単一光子放射断層撮影(SPECT),それらとCTとの組み合わせ,発光・蛍光イメージング,MSイメージングなどの活用例の報告も多くなってきている.しかしながら,これらは小動物(ラット・マウス)や摘出した臓器が対象であり,霊長類をはじめとした大型の実験動物を用いた画像診断に関しては報告が少ない.今回,小動物(マウス)から霊長類(カニクイザル)までのin vivo CT撮影が可能な小中型実験動物用3DマイクロCTを導入した.これにより,生体における経時的な腫瘤の確認,皮質骨と海面骨の骨密度の分離測定,血管走行,血管狭窄及び血管の石灰化などの血管系疾患の確認,皮下脂肪と内臓脂肪との分離測定,造影剤を用いた尿排泄の可視化など,様々な領域での活用が期待される.撮影実例報告と非臨床試験への活用方法について提案を行いたい.

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© 2015 日本毒性学会
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