日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-100
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一般演題 ポスター
ミニブタにおけるQT補正式の検討
*長尾 友子池田 博信伊藤 昭人山本 真史飯高 健
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抄録
【目的】近年、様々な分野においてミニブタの使用頻度が高まっており、心血管系の評価においてもミニブタでのテレメトリーシステムを用いた検討が必要となった。パソコンの処理能力や心電図パラメータの解析精度が年々向上し、個体別QT補正法よる補正が容易に出来るようになった。そこでミニブタを用い、個体別QT補正法の有用性について検討した。
【方法】ミニブタに高電位心電図を取得できる体内埋め込み式テレメトリー送信器(D70-PCT ;DSI社)を埋め込み検討した。心電図測定用の電極は、頸静脈内と横隔膜に固定した。無麻酔、無拘束下、無処置の状態で連続24時間測定した心電図から、Bazettの補正式、Fridericiaの補正式及び個体別QT補正式でQTc間隔を算出した。QT補正式の補正能を検討するため、それぞれのQTc間隔とRR間隔との関係を回帰直線の傾きによって比較した。次に、モキシフロキサシンを投与し、それぞれのQT補正式でQTc間隔を求めた。
【結果、考察】ミニブタの心電図を用いて、それぞれのQT補正式の補正能について検討した結果、個体別QT補正式はBazettの補正式及びFridericiaの補正式に比べ、回帰直線の傾きは小さく、0に近かった。この結果、個体別QT補正式が最も良好な補正能を示した。次に、モキシフロキサシンを投与した結果、RR間隔に変動なく、QT間隔に延長が認められた。それぞれの補正式で求めたQTc間隔において延長が認められ、QT補正法での延長の感度に違いはなかった。
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© 2016 日本毒性学会
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