日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-101
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一般演題 ポスター
ラット腎臓糸球体の雌雄差に関する新生児期精巣・卵巣摘出の影響に関する検討
*杉山 光岡山 祐弥大門 孝行本橋 昌也鷹橋 浩幸武藤 朋子和久井 信
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抄録

我々は、これまでの検討から健常雌雄ラットの腎臓では糸球体数・体積・糸球体構成細胞数に有意差があることを、三次元再構築解析法で明らかにしてきた。そして、ラットを用いた安全性試験結果の腎臓評価には、雌雄差を考慮する必要性について報告してきた。しかし、健常ラットの腎臓に認められる雌雄差の原因については不明である。そこで、本検討ではラット腎臓に対する、性ホルモンの影響について検討を試みた。検討には、新生児期・雌雄のWisterラットを対象とし、精巣または卵巣を摘出した後、通常飼育を行った。また、対照群として精巣または卵巣無摘出ラットを設けた。雌雄ラットは9週齢の時点で安楽死剖検後に左右腎臓を採取し、通常観察で異常がない事を確認した後、定量的三次元構造解析(Amira, v6.0.1, FEI, USA: Vox Blast, Vey Tek, inc., USA)を行い、精巣または卵巣摘出群と、精巣または卵巣無摘出群の間で比較検討を行った。腎臓の重量・発達に関しては、精巣および卵巣摘出による影響は認められなかった。糸球体体積は、精巣または卵巣摘出群の、特に雌で増加する傾向が認められた。また、腎臓単位体積あたりでの糸球体の個数・分布形態には、精巣または卵巣摘出群と、精巣または卵巣無摘出群の間で違いが観察され、現在、定量的三次元構造解析を行っている。

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© 2016 日本毒性学会
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