抄録
[目的]チャールス・リバーグループではIGS (International Genetic Standard) システムでの動物生産の系統数を拡大している。生殖発生毒性試験で用いられるICRマウスもその1つで、Crl:CD1(IGS型マウス)系統は2013年4月に供給が開始され、その一方でCrlj:CD1(従来型マウス)系統は2014年9月に供給が中止された。そこで、IGS型マウスと従来型マウスの胚・胎児発生試験に関する背景データを比較した。
[方法] 12週齢のマウスを交配(膣栓確認日:妊娠0日)し、妊娠18日に帝王切開し、黄体数、着床数、着床後死亡率、生存胎児数、雌雄別胎児体重、外表、内臓及び骨格検査を実施した。
[結果]IGS型マウスの妊娠率は98%と非常に良好であった。IGS型マウスの黄体数、着床数、着床後死亡率、胎児生存数、雌雄胎児体重はいずれも従来型マウスと同程度であった。また、外表、内臓及び骨格検査の各所見も従来型マウスと同程度であった。
[考察]胚・胎児発生試験で用いられる検査項目において、IGS型マウスはいずれの検査項目においても従来型マウスと同程度のデータを示した。引き続き、IGS型マウスのデータ集積に努めていきたい。