日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: S3-2
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シンポジウム3 SEND(非臨床試験電子データ標準化)-その規制動向と実装に向けた企業、CRO、ITベンダーの取り組み-
SENDの実際とFDA・PhUSEの役割
*安齋 享征佐藤 玄
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抄録
米国FDAが申請データの電子化を推進している背景には、新薬の審査速度の加速が自国の国民にベネフィットが大きいこと、更に自国の製薬産業の国際優位性を維持する目的がある. 米国はこの政策に成功しており、エール大学の研究グループの調査によるとFDA、European Medicines Agency (EMA)、カナダ保険庁の3つの行政機関における申請から初回審査終了までの期間(中央値)の比較(2001年~2010年)において、FDAが調査対象機関の中で最短であった. この申請データの電子化の中で前臨床のデータに関する標準がSEND(Standard for Exchange of Nonclinical Data)である.FDAはCDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)及びPhUSE(Pharmaceutical Users Software Exchange)とともにその普及に励んでいる. さらにFDAは2012年にIT5カ年計画案を発表し、FDAにおける一連の電子申請および電子審査の推進計画の大綱を示している.また、SENDにおいて考慮すべき点、推奨事項、データセットの提出方法などの細則についてガイダンス案を作成し公開している.
FDAはSENDに関し、CDISCとPhUSEとの共同作業を数多く行っているが、 CDISCが標準を作る機関であるのに対し、PhUSEはSENDなどの実装を想定した機関であり、特に製薬企業にとって現実的かつ有益な情報源となっている. PhUSEは製薬企業、IT企業などのデータ・マネージメント、生物統計、電子臨床データ、毒性、病理、薬理などの専門家によって構成される国際的非営利団体である. 本発表においてはFDA SENDの現状とPhUSEの活動について紹介しその有効利用を提案する.
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© 2016 日本毒性学会
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