日本毒性学会学術年会
第44回日本毒性学会学術年会
セッションID: S23-1
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シンポジウム23 毒作用発現におけるエピジェネティック毒性とその臨床展開
クリニカルエピゲノム研究に学ぶエピジェネティック毒性
*五十嵐 勝秀大塚 まき
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抄録
一卵性双生児は同じゲノムを持つ。しかし、同じゲノムであっても疾患の発症程度は異なることが知られている。すなわち、ゲノム配列の違い以外の疾患発症メカニズムが存在し、その1つとしてエピゲノムが注目を集め、国際ヒトエピゲノムコンソーシアムThe International Human Epigenome Consortium (IHEC)により、疾患に関連するヒト細胞の標準エピゲノムデータの整備が進められてきた。他にも臨床検体のエピゲノムを網羅的に解析し、疾患症状と関連づけて治療標的を見出す様々なクリニカルエピゲノム研究が行われ、大きな成果をあげてきた。これらの知見は化学物質の長期に渡る毒性影響をエピゲノム変化で説明する「エピジェネティック毒性」研究にも極めて有用である。本シンポジウムでは、生活習慣病や生殖医学、がんの領域で、臨床検体の網羅的エピゲノム解析を展開する先生方に最新の解析結果をご紹介頂く。これに加え、特異的エピゲノム変化がどのようなメカニズムで生じているのかといった、エピジェネティクスの根本命題に挑む基礎研究の最新知見と合わせて議論し、エピジェネティック毒性の理解を深める場としたい。
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© 2017 日本毒性学会
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