日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-141
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一般演題 ポスター
創薬研究における心毒性評価の実施状況に関するアンケート調査(製薬協 基礎研究部会)の結果報告1
*内海 雄一本川 佳幸山本 渉岡井 佳子久保 多恵子谷川 洋一中島 謙治澤部 壽浩山崎 奈穂守本 亘孝樽井 毅安部 智之岩瀬 裕美子渡部 一人
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抄録

【目的】心毒性は、創薬における開発中止の主な原因のひとつとなっている。近年、CiPA(Comprehensive in vitro Proarrhythmia assay)に基づいた催不整脈リスク評価の考え方の認識が広がり、スクリーニング毒性評価への応用が進んでいると考えられる。このような現状を踏まえ、より効率的な医薬品開発の一助となることを期待し、創薬研究における心毒性評価の実施状況を必須・オプション、自社・委託を含めて調査した。

【方法】2017年8月に日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会加盟企業61社にアンケートを配布し、創薬段階をステージごとに分け(Hit identification、Hit to Lead、Lead Optimization、Candidate selection)、オフ・ターゲットプロファイル、hERG、CiPA提唱アッセイ、in vivo等に関する実施状況を調査した。

【結果】45社から回答を得た。オフ・ターゲットプロファイルは、ステージの後期で実施する企業が多かった。hERGアッセイの手法として、ステージ初期ではオートパッチ法、後期ではマニュアルパッチ法を実施する企業が多かった。CiPA提唱のアッセイの中で、in silico評価を実施している企業は少なかった。QT延長・催不整脈リスク、循環器評価におけるin vitro及びin vivoの試験は、ステージ初期ではほとんど行われず、ステージが進むごとに実施数が多くなった。器質的心筋毒性評価の多くはオプションで実施されていた。今回の調査により、製薬企業におけるCiPA提唱アッセイに対する対応状況並びに心毒性評価の現状が明らかとなった。

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