日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-140
会議情報

一般演題 ポスター
Respiratory Inductive Plethysmographyによるイヌの呼吸機能測定の検討
*阿部 一堀 寿子平井 亮梅田 明広髙橋 秀美渡辺 大石川 勉
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【背景】Respiratory Inductive Plethysmography(RIP)は胸部及び腹部の誘導ベルトを用いることにより、非侵襲的に呼吸機能を測定する方法である。今回、Jacketed External Telemetry(JET)システム(DSI社)を用いたRIP(JET-RIP法)により、覚醒下のイヌの呼吸機能を測定するとともに、呼吸亢進薬または呼吸抑制薬投与後の呼吸機能パラメータの変化について検討した。

【材料及び方法】ビーグル犬の雄6頭を用いて、まず、呼吸機能の背景(日内変動)データ収集のために、約24時間(明期12時間、暗期12時間)の波形データを連続記録し、これを投与前の検査データとした。次に、アセタゾラミド(ACZ、呼吸亢進薬:100 mg/kg、P.O.)またはペントバルビタールナトリウム(PB、呼吸抑制薬:25 mg/kg、I.V.)を投与し、投与前約1時間から投与約24時間後までのデータを収集した。得られた波形データは、Ponemah Physiology Platform(DSI社)を用いて1時間間隔で解析し、呼吸数(BPM)、一回換気量(TV)、分時換気量(MV)、最大吸気流量(PIF)及び最大呼気流量(PEF)を算出した。

【結果及び結論】各種呼吸機能パラメータの日内変動として、BPM、MV、PIF及びPEFはイヌの活動量の盛んな明期に高値で推移し、活動量が低下する暗期には低値で推移した。一方、TVには日内間で大きな変動はみられなかった。ACZ投与により、投与6時間後までに全てのパラメータの増加が認められた。PB投与では、投与4時間後までにBPM、TV、MV及びPIFの減少が認められたが、投与6~12時間後にはBPM、TV及びMVは増加に転じた。以上の結果から、JET-RIP法により覚醒下のイヌの呼吸機能の評価が可能であり、呼吸機能への影響を探索する上で有用であると考えられた。

著者関連情報
© 2018 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top