日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-224
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一般演題 ポスター
非臨床安全性評価における疾患モデル動物利用の最新動向
*木村 康友廣 雅之岡部 毅木下 潔小林 章男佐々木 正治前田 充則水戸部 祐子本山 径子米澤 理一郎藤原 道夫渡部 一人
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抄録

医薬品の非臨床安全性評価に疾患モデル動物を用いることにより,薬理学的作用,薬物動態,疾患に関連する標的分子の発現,臨床での用法/用量及び安全性に関して有益な情報が得られる可能性が指摘されている。そこで,安全性評価での疾患モデル動物の使用状況を理解するために,CTD及び審査報告書の調査(対象:1999年9月〜2015年5月に承認された医薬品)並びに製薬協でのアンケート調査を実施し,第43回学術年会(2016年)において,疾患モデル動物を用いた安全性試験が一定数実施されていることを報告した。その後,Morganら(2017)から同様な趣旨のアンケート調査報告があり,我々の調査結果とほぼ一致する内容であった。

今回,我々は2015年6月〜2017年5月に承認された品目のCTDを対象に,追加調査を実施した。その結果,疾患モデル動物を用いた安全性試験数が近年増加傾向であることが明らかとなった。また,規制当局からの要求によって実施された試験がこの2年間に3試験認められ,疾患モデル動物を用いた安全性評価に対する規制当局の関心の高まりが示唆された。本発表では,追加調査の結果並びに疾患モデル動物を用いた安全性試験の具体例を紹介する。今後,医薬品の非臨床安全性評価への疾患モデル動物の有効活用がさらに進むことを期待したい。

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© 2018 日本毒性学会
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