日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: S17-1
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シンポジウム17
胎生期di(n-butyl)phthalate暴露ラットの発達と成長への影響: 精巣Leydig細胞テストステロン合成関連酵素の発現変化について
*岡山 祐弥杉山 光武藤 朋子和久井 信
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抄録

プラスチックの可塑剤や接着剤・医療器具等の原料として、現在でも広く使用されているdi(n-butyl) (DBP)は、ヒトおよびげっ歯類に発育障害・代謝障害・生殖障害等を誘起する内分泌撹乱化学物質であり、DBP胎生期暴露を受けた次世代ラットでは成獣期に低テストステロンを示すことが明らかとなっている。さらに、精巣Leydig細胞ではコレステロールがミトコンドリアでSR-B1, StAR, P450sccの修飾を受けた後、sERに移動して3beta-HSD, P450c17, 17beta-HSDの修飾を受けることが知られている。我々はDBP胎生期暴露を受けた次世代ラットの精巣におけるテストステロン合成関連酵素の発現変化について検討を行ってきた。実験群では思春期までStAR, P450sccの発現は有意に低値を示したが成獣期では対象群と同様を示した。これに対し、実験群の3beta-HSD, P450c17, 17beta-HSDの発現は思春期まで対照群と同様を示していたが、成獣期では有意に低値を示した。ラット胎生期DBP暴露の精巣Leydig細胞におけるテストステロン合成関連酵素の発現への影響は、若年期と成獣期で異なることが示唆された。

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