日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: S21-4
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シンポジウム21
曝露量に基づくリスク評価―最大推奨臨床用量での曝露量と胚・胎児毒性ハザードの検出―
*三ヶ島 史人
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抄録

現在、医薬品の生殖発生毒性試験の考え方についてのガイドライン(ICH S5ガイドライン)の改定が進められている。ICH S5(R3)のステップ2ガイドラインは、①ガイドラインの適用範囲、②緒言及び一般原則、③生殖毒性評価戦略、④試験系の選択、⑤用量設定、投与経路及び投与スケジュール、⑥ほ乳類を用いたin vivo試験のデザインと評価、⑦リスク評価の原則、⑧付属書(Annex)等から構成されている。⑤の高用量設定の考え方として、母動物のごく軽度の毒性、投与における限界量、血漿中・組織内曝露の飽和等を基準とする従来の考え方に加えて、新しく曝露量を基準とする考え方が加えられている。この中では、ヒトでの最大推奨臨床用量(MRHD:Maximum Recommended Human Dose)における全身曝露量の25倍を超える曝露が予想される用量であれば、概して生殖発生毒性試験における高用量として適切であると記載されている。

今回、この曝露量を基準とする新しい考え方の適切性を検討することを目的に、本邦において承認された医薬品のうち、妊婦投与が禁忌とされている26品目の胚・胎児発生毒性試験の結果を曝露量比較に着目して調査した。本発表では、当該調査結果を踏まえ、曝露量を基準とする生殖発生毒性試験の用量設定について議論したい。

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