日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: W7-1
会議情報

ワークショップ7
non-RI LLNA法の特徴と課題
*山下 邦彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

Local Lymph Node Assay(LLNA)は、モルモットを用いる皮膚感作性試験に代わる手法として、2002年に最初にOECDテストガイドラインにTG429として収載された。本法は、モルモットを用いる試験に比較して、試験期間が短い、試験結果の定量性が高い、アジュバントを用いないことから動物に対する負担が少ないなど多くのメリットがあり、現在では皮膚感作性試験の標準法といえる。一方LLNAは、リンパ節の増殖反応の評価に放射性物質を使用することから、実施施設が限られるというデメリットが有る。この課題に対し、現在では、放射性同位元素を用いないLLNAの代替法が複数確立している。2010年にOECDテストガイドラインに収載された、LLNA:DA(TG442A)、LLNA:BrdU-ELISA(TG442B)及び現在OECD収載が近いと考えられるLLNA:BrdU-FCMである。これらLLNA代替法は、いずれもリンパ節の増殖を皮膚感作性の指標にしているという点ではLLNAと同じであるが、その評価方法は異なる。LLNA:DAは、リンパ節の増殖をリンパ節のATP量を測定することで行うのに対し、LLNA:BrdU-ELISA及びLLNA:BrdU-FCMは、核酸アナログである5-bromo-2-deoxyuridine(BrdU)の取り込み量を指標にして行う。また、感作性の判断に用いるカットオフ値は、LLNAが3であるのに対し、他はそれぞれ1.8(DA)、1.6(BrdU-ELISA)、及び2.7(BrdU-FCM)である。更に、DAとBrdU-ELISAには、LLNA及びBrdU-FCMにはない、borderline positive というクライテリアが設けられている。本シンポジウムでは、これらLLNA代替法の違いと課題についてまとめる。

著者関連情報
© 2018 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top