日本毒性学会学術年会
第46回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-172
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ポスターセッション
C57BL/6J-Agedマウスの血液生化学的検査と認知機能、運動機能及び視覚機能の評価
*中村 美栄パブラック 晶子村澤 寛泰小林 洋之川崎 由紀子山田 恭史長瀬 孝彦
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抄録

【目的】加齢は様々な臓器の機能を低下させる。さらに認知機能、身体機能及び感覚機能などの生理機能を減退させることにより、認知症やサルコペニアなどの加齢性疾患を招来し得る。老化研究や加齢性疾患の薬物開発のためには、老齢動物の基礎データが必要であるが、老化に長期間を要することと、経費の観点から老齢動物がもつ機能低下の特性と老齢程度の関係は十分に評価されているとはいえない。そこで、C57BL/6J-Agedマウスを用いて、血液生化学的検査を実施し、さらに認知機能、身体機能、視覚機能を評価した。

【方法】Adult(8週齢、n=8)、Middle-aged(52週齢、n=17)、Old(78週齢、n=17)の雄性C57BL/6Jマウスを用いた。認知機能の評価には受動回避試験、新奇物体認知試験、Y迷路試験、モーリス水迷路試験、身体機能の評価にはロータロッド試験、ビームテスト、筋肉重量、視覚機能の評価は網膜電位、視覚誘発電位を用いた。さらに、生化学的検査を実施した。

【結果と考察】生化学的検査では、Middle-agedマウスはALP、UNの低下、T-Cho、Na及びKの上昇が、OldマウスではALP、TG、Glu、Albの低下、LDL-C、UA、IP、Ca、Na、K及びClの上昇がみられた。さらに、Middle-agedマウス及びOldマウスにおいて、モーリス水迷路試験で空間認知機能の低下がみられ、ロータロッド試験及びビームテストで運動協調性の低下がみられた。Oldマウスでは、網膜電位測定で律動様小波の潜時の延長がみられ視覚機能の低下がみられた。また、Middle-agedマウス及びOldマウスでは、ヒラメ筋と腓腹筋の体重比重量が減少した。C57BL/6Jマウスでは老化により生化学的データも変動し、さらに空間認知機能、身体機能及び視覚機能が減退することが検証された。今回得られたデータは老化研究、加齢性疾患に対する薬物開発の試験デザイン設計の一助となり得ると考えている。

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