日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: S2-4
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シンポジウム2
Ontology思考によるComputational toxicology
*山縣 友紀
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抄録

計算機科学の進展はこれまで毒性学に大きく貢献してきた。オミクス解析やパスウェイ解析をはじめ、構造活性相関モデルによる安全性予測等においてデータ駆動型研究は欠かせない。これら多種多様の解析結果をもとに適切に安全性評価するには、科学的見地からの説明性に基づき、統合的に判断することが要請される。さらに、いかにリスクを低減するかについて、安全性管理には領域横断的に知識を共有し、相互運用するための支援が必要となる。

 本講演ではオントロジー思考に基づく知識の体系化と安全性評価への応用について、これまで著者が開発してきた毒性プロセスオントロジーTXPOと機序解釈支援知識システムTOXPILOT (https://toxpilot.nibiohn.go.jp) を例に議論する。哲学思考に基づくオントロジーは領域独立の観点から対象の本質構造を客観的に抽出し、さらにどのように概念間の関係を関係づけるのか、必要な重み付けと方向性を与える。人間と計算機がともに理解可能な知識基盤を構築することによる計算毒性学への貢献について述べる。

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© 2020 日本毒性学会
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