日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: S21-3
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シンポジウム21
解析ツールを用いたオミックスデータからの知識抽出とその精度管理
*夏目 やよい
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抄録

生体分子を網羅的に測定するオミックス解析は既に広く浸透しており、様々な事象に対する生体応答を理解する上で強力な手段の一つとなっている。特に近年では、Garuda(www.garuda-alliance.org)に代表されるオープンプラットフォームや各種ウェブアプリケーションなど、プログラミング技術を必要としない多種多様な解析ツールを無料で使用可能であり、オミックスデータからの知識抽出方法に関する選択肢は急速に増加した。その一方で、それぞれの解析ツールには個性があり、その出力結果の解釈において注意が必要となる事も実際には起こり得る。

ペンタクロロフェノール(PCP)は各国でその使用が禁止あるいは厳しく制限されている殺虫剤であり、ヒトにおいて発汗・痙攣・高熱といった症状を惹起することが知られている。その機構に関する理解を深めるため、我々はPCPを投与したマウスにおける遺伝子発現プロファイルであるPercellomeデータ[1]の解析をおこなった。本発表では、PCP投与によって発現が変動する遺伝子の解析とその毒性発現機構の推定を例として紹介しながら、解析ツールを用いた知識抽出におけるその結果解釈の精度管理について述べたい。

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© 2020 日本毒性学会
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