データサイエンスや人工知能を用いた毒性評価や解析が様々な分野で急速に展開されている。これらの最新技術を安全性関連研究分野に適用する場合は、様々な事項や留意事項に配慮しつつ実施することが極めて重要である。このような配慮無く最新の技術を適用すれば、解析結果に信頼性はなく、解析目的の実現や要因解析等の重要な解析、情報が無意味なものとなり、討論や研究の本質を見失う。
化学の分野にデータサイエンスや人工知能を適用する場合は様々な要因に考慮しつつ適用することが必要であり、この点での注意が無ければ毒性評価に関するQSARやAdverse Outcome Pathway (AOP)、Weight-of-Evidence(WoE)、Mode of Action(MoA)、 Integrated Approached and Testing Assessment(IATA)等での多種多様なデータ解析が無駄となる。
化合物を扱う分野へのデータサイエンスや人工知能の適用では二つのカテゴリーに起因する様々な要因を解決することが必要である。一つは、化合物に起因する問題点や留意事項等。二つ目は、適用されたデータサイエンスや人工知能に起因する問題点や限界事項等である。これらの問題をクリアおよび意識せずにデータ解析や人工知能を実施しても、データサイエンスの解析信頼性や人工知能による様々な判断基準は実用に及ばない、無意味な結果をもたらす。
本発表では、データサイエンスや人工知能を正しく適用するために必要な留意点や限界事項等について考察を行う。データサイエンスや人工知能の適用を考えている研究者の方々との討論を行いたい。