肺線維症は進行性の線維化により呼吸機能が悪化することにより発症する疾患である。私たちの研究グループは、家族性肺線維症のゲノム解析から疾患の原因変異としてSFTPA1のミスセンス変異を見出した。SFTPA1のミスセンス変異はSFTPA1タンパクの分泌を障害させる機能変異でありそのことが疾患発症の起点と考えられた。マウスのSftpa1遺伝子にヒトと同変異を挿入したSftpa1-KIマウスを作成しところ、肺線維症を発症することがわかった。Sftpa1-KIマウスを用いた機能解析の結果、II型肺胞上皮細胞のネクロプトーシスが疾患発症の原因である事が明らかになった。本発表では、その詳細な分子機序とともにネクロプトーシスから肺線維症に至る過程についての機構についても議論したい。